梅子のスペイン暇つぶし劇場

毒を吐きますので、ご気分の優れない方はご来場をご遠慮ください。

ビクトルの大予言

前記事でも少し触れたが、今年のハロウィンは日曜日。 我が家の次男エクトルは、養育権の契約上、毎週末を母親シュエの家で過ごさねばならないので、当日に私たち夫婦とハロウィンのパーティーをすることができない。 それならば、エクトルが我が家にいる間…

メモリーズ・オブ・ハロウィン

もう10月も下旬。 今年もハロウィンの季節がやってきた。 夫ビクトルは、1年の中でハロウィンを最も楽しみにしている。 クリスマスよりも自身の誕生日よりも待ち遠しいといつも言い、子供たち以上に大はしゃぎだ。 そもそもハロウィンはアメリカの行事であっ…

酔うと化け物になる継父がつらい 2

前回のお話は、コチラ。 思春期で親離れが始まったらしい我が家の次男エクトルと、やっと一緒に出かけることができた、とある平日の夜。 買い物を済ませてレストランで夕食をとっている最中、私たち夫婦はエクトルから衝撃の話を聞かされることになった。 長…

インフェクション 感染

前記事の「酔うと化け物になる継父がつらい 1」の下書きを書き終えた日の夜、私は39℃以上の高熱を出した。 風邪か…と思ったが、一向に喉は痛くならないし、鼻水も咳も出なければ息苦しくもない。 原因がわからないまま熱は下がらず、2日間ベッドから起き上が…

酔うと化け物になる継父がつらい 1

中高生の子を持つ親御さんには、あるあるの1つなのではないかと思うが、我が家もご多分に漏れず、次男エクトルが中学生になってからというもの、めっきり私たちと外出してくれなくなってしまった。 映画を観に行こうと言っても、買い物や食事に行こうと言っ…

誰よりも金を愛す 2

前回までのお話は、コチラ。 18歳(成人)になったのを機に、アーロンの養育権の契約が終了し、アーロンは9月から母親シュエの家で暮らすことになった。 アーロンが我が家に帰って来ない生活がスタートしたことによって、初めてエクトルだけが1人で我が家に…

誰よりも金を愛す 1

9月半ば近くになって、ようやく新学期が始まった。 新年度の始まりでもある。 なんやかんやの末、我が家の次男エクトルは、学校が始まる前日の夜にようやく我が家に帰って来て(詳しくは前記事をご参照ください。)、アーロンは無事に…とでも言うか、母親シ…

そしてエクトルは、ここにいない。

スペインの子供たちの夏休みは長い。 小学校も中学校も、例年、6月の下旬(22日とか23日頃)から9月の第1週目、2週目半ばぐらいまでが夏休みだ。 冬休みや春休みは、日本のそれと同じぐらいの日数だけど、夏休みが日本の倍以上あるので、当然日本の小中学校…

17歳→18歳の夏

―8月31日。 私のスマホのメッセージアプリを使って、ビクトルがアーロンにメッセージを送った。 1ヵ月ぶりの連絡。 「久しぶり。元気にしてるか?ところでお前のママにはもうあのことを話したか?」 夜になってやっとアーロンから返事が来た。 「うん。もう…

誰が為に未来はある 12

前回までのお話 11は、コチラ。 7月半ば、アーロンの専門学校の入試が終わった。 終わった次の日から、アーロンの生活習慣が変わった。 お昼ご飯に呼ばれるまで起きて来ず、午後もずっと子供部屋にこもり、夜中になってやっと出てきて受験勉強を始めたかと思…

誰が為に未来はある 11

前回までのお話 10は、コチラ。 今日も今日とて、長男アーロンの話だが、その前に次男エクトルの話を少ししたいと思う。 箸休め程度に笑。 6月で中学1年を修了した我が家の次男エクトル。 学校の通例で、最終学期の成績表は、毎回保護者が受け取りに行かねば…

誰が為に未来はある 10

前回までのお話 9は、コチラ。 ビクトルは毎年夏になると、この辺りでは7月が1年の中で最も暑い月だと言う。 我が家でも7月に入った途端から、特に昼ご飯の時間帯と夜の就寝時、本格的にエアコンをフル稼働する日々が始まった。 子供部屋にはエアコンがない…

誰が為に未来はある 9

前回までのお話 8は、コチラ。 憎たらしいほどいつものように、シュエの、いや今回はおそらくアーロンも一枚噛んでいる2人の強行により、7月が始まって早々の週末は、本来の養育権の契約を無視して、子供たちはシュエの元へ行ってしまった。 近所の映画館で…

誰が為に未来はある 8

前回までのお話 7は、コチラ。 「専門学校の入試まで、オンラインゲームは忘れろ。」 ビクトルにそう言われてブチ切れたアーロンは、「僕の未来に口出しするな」と言ってのけ、我が家には帰らないと宣言した。 …にもかかわらず、ビクトルのメールで事の真相…

誰が為に未来はある 7

前回までのお話 6は、コチラ。 大学受験から10日ほどたって、ようやくアーロンの最終獲得点数が判明。 結果は惨憺たるもので、いずれの志望学科の基準値にも到達していなかった。 厳密に言うと、基準値には達していないが、自動的に待機リスト入りするため、…

誰が為に未来はある 6

前回までのお話 1は、コチラ。 前回までのお話 2は、コチラ。 前回までのお話 3は、コチラ。 前回までのお話 4は、コチラ。 前回までのお話 5は、コチラ。 6話目にしてやっと本題に辿り着いた気がします…。 今まで長々とお付き合いくださり、ありがとうござ…

誰が為に未来はある 5

前回までのお話 1は、コチラ。 前回までのお話 2は、コチラ。 前回までのお話 3は、コチラ。 前回までのお話 4は、コチラ。 今回は、話を少し前後して大学受験の話をすることにする。 5月下旬に高校の卒業式があったわけだが、その卒業式直前まで、アーロン…

誰が為に未来はある 4

前回までのお話 1は、コチラ。 前回までのお話 2は、コチラ。 前回までのお話 3は、コチラ。 「お前にはもう後がない。試しに2学期までの成績で換算すると、はっきり言ってコンピューターグラフィック学科に入学できる点数までほど遠い。残された今学期で成…

誰が為に未来はある 3

前回までのお話 1は、コチラ。 前回までのお話 2は、コチラ。 アーロンが入学した高校は、当初、美術科クラスは1クラスと言っていたのだが、その年の美術科進学希望者が多かったのか、市からの要請でもう1クラス設けることになり、…といっても教室を確保する…

誰が為に未来はある 2

前回までのお話は、コチラ。 本題に入る前に、今日は、スペインの高校への進学方法を、我が家の長男アーロンの経験で実際に私が見てきたことを、その時の思い出と共に軽く説明しようと思う。 もしかしたら、それは州や公立校・私立校によって方法が異なる場…

誰が為に未来はある 1

5月、我が家の長男アーロンが、高校を卒業した。 小学生の頃から、アーロンはとにかく勉強が嫌いだった。 毎日のように、「今日は宿題がない」とビクトルに嘘をつき、翌日になると、連絡帳には先生からビクトル宛てに「宿題をしてきませんでした」とメッセー…

変わらぬマインド 卒業の日まで

このブログを再開するのがまたしても久々すぎるやら、前回まで書き続けていた「アーロン14」シリーズも中途半端やら、言い訳は山ほどあるのですが、全部すっ飛ばして、今日はこれを書くことにします。 ちなみに1つだけ言い訳をすると、「アーロン14」シリー…

アーロン14 3 事件

前回までのお話 1は、コチラ。 前回までのお話 2は、コチラ。 私たちが叱らなくなったとわかった途端、アーロンの生活態度は日に日に、明らかに横柄になっていった。 私たちも、できるだけ彼を叱らないようにはしていたけれど、それでもやはり、どうにもこう…

そして伯父は逝く

「アーロン14」を書いている途中ではありますが、今日は別の話を急遽お話しすることにします。 スペイン全土に非常事態宣言が出され、実質、自宅軟禁とも言える生活が、もう1ヵ月近くも続いている中、私たち夫婦は昨日、思いもよらない、想像したくもなかっ…

アーロン14 2 発端

前回までのお話は、コチラ。 私自身が、日本の私の家族関係が、稀なケースなのかどうかはわからない。 でも私が10代の多感な頃、親に真っ向から歯向かって激しく激突するようなことはなかった。 強いて言えば、アルバイト禁止の校則があった高校時代に、内緒…

アーロン14 1

さて、2年ぶりに再開したブログですが、何をどこから書けばよいやら…。 本ブログでは、もはやメインテーマ…そこまで言うのは言い過ぎか。 堂々のレギュラーメンバーである、前妻シュエのことや子供たちの近況などを早速! …と、書いていきたいところだけど、…

がんばっていきまっしょい!

時がたつのは本当に早いですね。 大変、大変、ご無沙汰しておりました。 このブログをおろそかにして、早2年…。 筆不精にもほどがあり、弁解の余地もございません。 私はまだ、スペインのとある地方都市に、変わらず在住中です。 夫ビクトルとの結婚生活も、…

ステップマザー 殺人鬼は棲んでいない家

つい先日、通っている語学学校で、新しい単語を習った。 それは、「padrastro:パドラストロ」と、「madrastra:マドラストラ」という単語。 スペイン語で、「padrastro」は「ステップファーザー」、「madrastra」は、「ステップマザー」という意味である。 …

母が何もしなさすぎて困ってます 2

前回までのお話は、コチラ。 冬休みから根気よく治していたエクトルの肌荒れが、一応の終結を迎えた。 やれやれ一件落着…と、思っていたのも束の間、今度は長男アーロンが、高熱で半分死にかけながら、母親シュエの元から帰って来た。 その週末は、たまたま…

母が何もしなさすぎて困ってます 1

毎年のことではあるけれども、日本も度重なる寒波に見舞われているようで…。 寒中お見舞い申し上げます。 さて、ここスペインでも、つい最近まで2度目?3度目?の寒波が来ていた。 北部の地域では、やれ大雪だの大雨だの、道路交通が麻痺しただの川が氾濫し…