梅子のスペイン暇つぶし劇場

毒を吐きますので、ご気分の優れない方はご来場をご遠慮ください。

【前妻のこと】

あの日見た痛みを私はまだ忘れられない。

愛する夫ビクトルがいない2度目の春が過ぎ、たった1人で過ごす2度目の夏が来た。 お盆に合わせて、日本に行こうかと思ったけどやめた。 この前の年末年始に日本でもらってきた元気はまだ少し残っているし、それになんだか今年はじっくりどっぷりスペインでの…

新年は最高のはじまり

新年、明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いいたします。 ―――――――――― 年末に、某占い師のYoutubeチャンネルで、2022年予想を見た。 五黄土星の寅年となる今年は、弱肉強食の爆発の年。 善悪に関係なく、溜め込んでいたものが内へ外へと放…

ビクトルの大予言…の答え合わせ

今年もクリスマスの季節がやってきた。 スペインのクリスマスは、12月24日のクリスマスイブを皮切りに、年が明けて1月6日の3賢者の日までと、長い。 日本では大晦日とお正月を重視するが、スペインの年越しは、クリスマスのビッグイベント中に、あらま年も明…

ハウス・オブ・スペイン

スペインで暮らし始めて、当然、文化の違いや考え方の違いに驚いたこと、今でも驚くことはたくさんある。 住み始め当初、私はちょっとした“どちて坊や”(※アニメ「一休さん」に出てくる男の子)ならぬ、“ポルケ坊や”と化していた。 見るもの聞くものすべてが…

限界つれづれ節

日曜日。 ビクトルも私も盛大な朝寝坊をした。 2人共とにかく怠惰全開。 お昼ご飯を作るのもなんだか億劫だし、そもそもまだお腹が減っていないしで、夕方近くまでそれぞれ好きなことをして過ごした。 日もだいぶ傾いてきた頃ようやく空腹になり始め、2人で…

ある雑貨店のはなし

スペインにも100円均一ショップのような、安くて何でも揃っている店がある。 日本でも今やお馴染みの、デンマーク発Flying Tigerは、私が住むこの街にもある。 また、おそらくまだ日本には進出していないかもしれないが、Tedi(テディ)というドイツ発の雑貨…

ビクトルの大予言

前記事でも少し触れたが、今年のハロウィンは日曜日。 我が家の次男エクトルは、養育権の契約上、毎週末を母親シュエの家で過ごさねばならないので、当日に私たち夫婦とハロウィンのパーティーをすることができない。 それならば、エクトルが我が家にいる間…

メモリーズ・オブ・ハロウィン

もう10月も下旬。 今年もハロウィンの季節がやってきた。 夫ビクトルは、1年の中でハロウィンを最も楽しみにしている。 クリスマスよりも自身の誕生日よりも待ち遠しいといつも言い、子供たち以上に大はしゃぎだ。 そもそもハロウィンはアメリカの行事であっ…

酔うと化け物になる継父がつらい 2

前回のお話は、コチラ。 思春期で親離れが始まったらしい我が家の次男エクトルと、やっと一緒に出かけることができた、とある平日の夜。 買い物を済ませてレストランで夕食をとっている最中、私たち夫婦はエクトルから衝撃の話を聞かされることになった。 長…

酔うと化け物になる継父がつらい 1

中高生の子を持つ親御さんには、あるあるの1つなのではないかと思うが、我が家もご多分に漏れず、次男エクトルが中学生になってからというもの、めっきり私たちと外出してくれなくなってしまった。 映画を観に行こうと言っても、買い物や食事に行こうと言っ…

誰よりも金を愛す 2

前回までのお話は、コチラ。 18歳(成人)になったのを機に、アーロンの養育権の契約が終了し、アーロンは9月から母親シュエの家で暮らすことになった。 アーロンが我が家に帰って来ない生活がスタートしたことによって、初めてエクトルだけが1人で我が家に…

誰よりも金を愛す 1

9月半ば近くになって、ようやく新学期が始まった。 新年度の始まりでもある。 なんやかんやの末、我が家の次男エクトルは、学校が始まる前日の夜にようやく我が家に帰って来て(詳しくは前記事をご参照ください。)、アーロンは無事に…とでも言うか、母親シ…

そしてエクトルは、ここにいない。

スペインの子供たちの夏休みは長い。 小学校も中学校も、例年、6月の下旬(22日とか23日頃)から9月の第1週目、2週目半ばぐらいまでが夏休みだ。 冬休みや春休みは、日本のそれと同じぐらいの日数だけど、夏休みが日本の倍以上あるので、当然日本の小中学校…

17歳→18歳の夏

―8月31日。 私のスマホのメッセージアプリを使って、ビクトルがアーロンにメッセージを送った。 1ヵ月ぶりの連絡。 「久しぶり。元気にしてるか?ところでお前のママにはもうあのことを話したか?」 夜になってやっとアーロンから返事が来た。 「うん。もう…

誰が為に未来はある 9

前回までのお話 8は、コチラ。 憎たらしいほどいつものように、シュエの、いや今回はおそらくアーロンも一枚噛んでいる2人の強行により、7月が始まって早々の週末は、本来の養育権の契約を無視して、子供たちはシュエの元へ行ってしまった。 近所の映画館で…

誰が為に未来はある 8

前回までのお話 7は、コチラ。 「専門学校の入試まで、オンラインゲームは忘れろ。」 ビクトルにそう言われてブチ切れたアーロンは、「僕の未来に口出しするな」と言ってのけ、我が家には帰らないと宣言した。 …にもかかわらず、ビクトルのメールで事の真相…

誰が為に未来はある 7

前回までのお話 6は、コチラ。 大学受験から10日ほどたって、ようやくアーロンの最終獲得点数が判明。 結果は惨憺たるもので、いずれの志望学科の基準値にも到達していなかった。 厳密に言うと、基準値には達していないが、自動的に待機リスト入りするため、…

ステップマザー 殺人鬼は棲んでいない家

つい先日、通っている語学学校で、新しい単語を習った。 それは、「padrastro:パドラストロ」と、「madrastra:マドラストラ」という単語。 スペイン語で、「padrastro」は「ステップファーザー」、「madrastra」は、「ステップマザー」という意味である。 …

母が何もしなさすぎて困ってます 2

前回までのお話は、コチラ。 冬休みから根気よく治していたエクトルの肌荒れが、一応の終結を迎えた。 やれやれ一件落着…と、思っていたのも束の間、今度は長男アーロンが、高熱で半分死にかけながら、母親シュエの元から帰って来た。 その週末は、たまたま…

母が何もしなさすぎて困ってます 1

毎年のことではあるけれども、日本も度重なる寒波に見舞われているようで…。 寒中お見舞い申し上げます。 さて、ここスペインでも、つい最近まで2度目?3度目?の寒波が来ていた。 北部の地域では、やれ大雪だの大雨だの、道路交通が麻痺しただの川が氾濫し…

バケモノな子 2

前回までのお話は、コチラ。 前妻シュエの現夫、マックスからのメールを読んでいくと、体の中がじわじわと、そして何かそわそわするような、得体の知れないものが込み上げて、今まであんなにのんびりしていた気分が急に落ち着かなくなってきた。 1ヵ月、スペ…

バケモノな子 1

だいぶお久しぶりです。 夏が終わって、ブログを書こう書こうと思いつつ、日々を過ごしていたら、季節は冬がもう目の前に…。 毎日大したことはしていないのですが、時が過ぎるのは本当に早いものです。 前回まで書いておりました、ママ(=義母)の出来事に…

顔を変えし女

正直、何をどこから話したらいいものやら、頭の整理がつかないまま書くことにします…。 「俺は神に誓って言うよ…。俺はお前のママと近いうち、離婚する。」 「どうせアンタは、マックスの味方なんでしょ?私のこと大嫌いだものね!」 これは、この前の週末に…

忘れられる子供たち…のユニフォーム 後編

前回までのお話は、コチラ。 「続きもどうぞお付き合いください。」とか言っておきながら、あれよあれよのうちに、もう次の週末が来てしまった。 年を追う毎に、月日の流れる早さにゾッとする。 さて、それでは改めて、先週日曜日の話。 日曜日の午後、私と…

忘れられる子供たち…のユニフォーム 前編

もう4月になってしまったが、今年もおかげさまで、我が街の最大イベントであるお祭りが、凄まじい爆竹の騒音と共に、先月終わった。 連日の外の爆音に、すっかり縮み上がってしまった我が家の猫、猫の助は、祭りの間中は決してベランダに出ることはなく、祭…

裁きは終りぬ ~一旦終息編~

※本シリーズは、現在進行形の出来事を提供しておりましたため、飛び飛びに更新しておりますこと、何卒ご容赦ください。 尚、前回までの記事につきましては、「【前妻のこと】「裁きは終りぬ」シリーズ」カテゴリーより、ご参照ください。 大方のあらすじを含…

廻る因果

【神秘】 人間の知恵では推しはかれないような不思議さ。 「新明解国語辞典」より 私は今、“神秘”を見ているのかもしれない。 数年前、スペインに移住し、ビクトルと結婚した年。 あの1年間は、“壮絶”、この一言に尽きる1年だった。 ほぼ毎日のように、ビク…

罪と罰 2

前回までのお話は、コチラ。 私たちが、日頃子供たちに言い聞かせていることを、ビクトルがマックスに伝えると、マックスは、言葉を失ったようだった。 「実は、最近、僕たちは実家に行くのをやめてるんです。お恥ずかしい話ですが、以前から僕の母とシュエ…

罪と罰 1

今週、私と夫ビクトルは、気分の重い平日の午後を過ごしている。 本当は、子供たちとたくさん話したいし、平日の夜を普通に家族団らんしたい。 子供たちの好きな親子丼を作ってあげようと思って、週末に鶏のもも肉を買っておいたけど、それも作ってやれそう…

兄はつらいよ アーロンの告白

追々、改めて話そうと思ったのだけど…。 我が家の長男アーロンは、実は小児てんかんを患っている。 幸いにも…なのかどうか、アーロンのケースは、急に倒れたり、けいれんや発作が起こるようなショッキングなタイプではなく、「欠神発作」と言って、時々数秒…