梅子のスペイン暇つぶし劇場

毒を吐きますので、ご気分の優れない方はご来場をご遠慮ください。

インフェクション 感染

前記事の「酔うと化け物になる継父がつらい 1」の下書きを書き終えた日の夜、私は39℃以上の高熱を出した。

 

風邪か…と思ったが、一向に喉は痛くならないし、鼻水も咳も出なければ息苦しくもない。

原因がわからないまま熱は下がらず、2日間ベッドから起き上がれなかった。

ビクトルが救急車を呼び、私は救急へ搬送された。

 

熱があるので、新型コロナの感染も疑った。

早速PCR検査を受け、陰性と出た。

続けざまにレントゲン、エコー、血液検査と尿検査を受け、尿路感染と診断された。

だけど、膀胱炎の症状(トイレに何度も行きたくなるとか、オシッコすると痛みがあるとか)はない。

股の付け根のリンパ腺に、ひよこ豆大のしこりが2つ見つかり、これも高熱の原因の1つと言われた。

「足に何か傷はないか?」と医師に聞かれた。

「傷…、あります。」

 

8月に、我が家の飼い猫、猫の助に右足をがっぷり噛まれた。

めずらしく油断していて、かなり深く噛まれた。

その後歩けなくなるほど傷口がパンパンに腫れ上がってしまって、病院へ行った。

その時に、抗生物質を処方してもらってきちんと服用したのだが、医師曰く、その時の菌がまだ生き残っていたのではないか…とのこと。

 

スペインの病院は、日本と違ってあんまり至れり尽くせり感がない。

妊婦ですら、出産の翌日、翌々日には退院させられるほどだ。

こちとら2日間寝たきりで衰弱しきっているっていうのに、点滴も入院もなく、処方箋出されてさっさと家に帰された。

 

処方してもらった抗生物質の副作用が、これまたきつかった。

服用して早速、嘔吐と下痢に見舞われた。

2日間水しか飲んでいなかった胃袋に、何も入っているわけがないというのに、止まらない嘔吐と下痢。

口の中には、みるみるうちにたくさん口内炎ができて、ますます何も食べられなくなった。

回復するために薬を飲んでいるのに、飲めば飲むほど体調が悪化していくようで、私以上にパニックになったビクトルが、保険会社に電話して、オンラインで診察してもらい、急遽吐き気止めと下痢止め、それから抗生物質から胃を守る薬を処方してもらった。

我が家のマンションの2階には個人経営の歯医者があるので、そこにも駆けこんで口内炎の薬も処方してもらった。

ビクトルの奔走と新たな薬のおかげで、身体は徐々に回復した。

 

ただ、この間ほぼ寝たきりだったからなのか、抗生物質の副作用が続いているのかわからないけれど、今度は両足の膝に水が溜まり始めて、立ち上がることも一苦労になってしまった。

ちょっとトイレに行くのですら、杖なしでは歩けなくなった。

 

もう…。

踏んだり蹴ったりである。

10月になり、暑さも和らいで、外は秋晴れの清々しいお天気が続いているというのに、私はもう10日以上も外に出ることができず、その一方で、ビクトルは秋晴れの気持ち良さを感じる暇もなく、毎日のように薬局やら食料の買い出しやらに走り回る日々だ。

 

病院からはもうすでに、今回の病気についての科学的な結果をもらっているが、常日頃からオカルト系Youtubeを見漁っている私は、「何かのバチが当たったのではないか」と、ついつい考えてしまう。

 

前記事「酔うと化け物になる継父がつらい 1」は、体調が少し回復してやっと文字が読める、パソコンの画面を見れるようになった時に、投稿した。

だけど、この時も実は少しドキドキしながら投稿した。

 

このブログは、日頃の不満や愚痴を吐き出している。

自身の内に溜め込むのは、自分の身体に良くないと思ってのことで始めたブログだ。

だけど、わが国日本には「言霊」という言葉あるように、負のエネルギーをこうしてインターネット上に撒き散らすことで、私は何らかの霊的な“罪”を犯しているのかもしれない。

私が今まで放出した“呪い”のようなものが、今大きな塊になって我が身に返ってきたのではないか…?

 

そんな、オカルティーな妄想を膨らます一方で、「もう年なのかな…。」と老いていく恐怖を初めて実感したりもする。

…と言っても、まだアラフォー。

老いを語るには少し早すぎるかもしれないが、東京で1人暮らしをしていた若かりし頃の無茶苦茶だった食生活のツケが、もう回ってきたのだろうかと考えると、少し冷や汗が出る。

ただただベッドの上で、熱にうなされながら考えることと言えば、こんなことばかりだった。

原因がはっきりしない中での39℃の熱と、「飲めば治る!」とばかり思っていた薬の副作用のオンパレードは、私に十分過ぎるほどの恐怖を与え、これほどまでに心身共に参るとは予想もしなかった。

 

このコロナパンデミックが始まって以来、ビクトルは家族がコロナに感染しないようにといろいろ策を練っている。

私もビクトルも、免疫力を上げるためにサプリメントを飲むことにしたり、食事に気を遣ったり、この1、2年の間、あれこれやってきた。

 

おかげで、今のところ子供たちもビクトルも私もコロナ感染はしていないが、その代わり…なのか知らないが、今年に入ってから特に私が、次から次へとコロナ以外のものに感染しては抗生物質を飲む日々が多くなってきた。

何のための免疫力向上対策なのか、自分でもよくわからなくなってきた。

 

1日も早く、この馬鹿げたパンデミック騒動が終息して、普通の生活に戻りたい。

この膝が早く治って、またどこにでも歩いて行ける生活に戻りたい。

 

体調が悪いと、心もどんどん弱くなる。

 

 

■本記事のタイトルは、映画「インフェクション 感染」(2015年公開、アメリカ)をモジることなくそのまんま使わせていただきました。

記事の内容と映画は、一切関係ありません。