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梅子のスペイン暇つぶし劇場

毒を吐きますので、ご気分の優れない方はご来場をご遠慮ください。

バレンタインデー

【日々のくらし】 【スペインってこんな国】 【お題にチャレンジ】

しれっとブログのデザインを変えてみた。

開設して間もない素人ブログだし、驚く人もそういまい。

 

今週のお題」っていうのが、奇しくも「バレンタインデー」だったので、
初チャレンジがてら、今さらながらの、バレンタインデーの話。
 

スペインでも、2月14日はバレンタインデーだ。

でも日本の独特の習慣とは異なり、この日は夫婦とか恋人同士とか、愛する者たちがお互いにお互いを祝う…「祝う」という表現もなんだかおかしいけれど、お互いに楽しむ日だ。

 

「今年のバレンタインデーは、日本式でお願いしたいな~。」と、いつだったか、夫ビクトルが言っていた。

ビクトルには、日本のバレンタインデーの習慣(ホワイトデーも含む)をすでに教えていたので、興味があるようで、実は毎年こういうことを言う。

でも、生涯の伴侶を得てからというもの、めっきり女子力を磨かなくなった私は、「せっかく別の国にいるのだから」とかなんとか屁理屈こねて、今日まで日本式を回避してきた。

 

でも、今年は違った。

よし!じゃあ、今年のバレンタインデーは、チョコ系のお菓子でも作って、プレゼントしてあげようじゃないか!と考えていた。

 

そう思うのには理由があった。

 

最近、ビクトルが稀に見る大風邪を引いて、まだ本調子じゃないのに、仕事では少しトラブルを抱え、プライベートも休む暇がなかった。

だから彼を労いたかったのだ。

 

が、

 

その夢は、瞬く間に泡と消えた。

まったく情けないことに、労うどころか…の始末だった。

 

先週の木曜、夕飯を作っている頃あたりから、妙に腰が痛く、悪寒がし始めた。

「もしや、ビクトルに風邪うつされたか…?まじかー。この冬何度目の風邪だよ…。」と思っていたら、そうじゃなくて、急性の気管支炎を発症していた。

 

高熱からくる全身の痛みで、金曜日の朝は起きれず、午後、病院へ連れて行ってもらった。

 

ところで、病院へ行く時、マスクをつけて行ったのだが、街中でも病院の待合室でも、それはそれは注目の的だった。

あまりに熱ばっかり上がるもんだから、その時はまだ気管支炎だなんて知る由もなく、「とうとうスペインでインフルデビューか!」と、てっきりインフルエンザを発症したのだと勘違いして、それでマスクして行ったのだ。

 

マスクをつけることもまた、日本ならではの独特な習慣だと思う。

スペインでマスクをして道を歩いている人なんて、誰もいない。

先日、テレビのニュースで、「今年のインフルエンザ患者数は、例年の3倍。」という話をたまたま見たが、テレビに映っている、病院でインフルエンザの検査を受けている老婦人は、その後満面の笑みで検査を終えて去って行ったが、当然マスクなんてつけもしなけりゃ、持ってもいなかった。

他の、在西日本人のことは知らないけれども、私が住んでいるこの辺りで、唯一マスクしてる人といったら、私ぐらいなもんだ。

(余談だが、ちなみに日傘をさす人も滅多に見ない。)

一度、風邪を引いて咳がひどかった時に、マスクをつけてエクトルのお迎えに行ったことがあったが、その時は子供たちの視線の的となり、指までさされた。

「お前たちにうつさないようにつけとんじゃ!コラ!」と、マスクの中でモゴモゴ言いながら、その場はやり過ごした。

 

病院関係者なら、まだマスクに対する理解があるかと思ったが、考えが甘かった。

診察した医者には「ところであなた、どうしてマスクしてるの?」と聞かれた。

ビクトル共々どん引いて、「彼女は日本人だからです。マスクをするのは日本人の習慣です。」とビクトルが説明していたが、いや、習慣だけども、説明するところはそこじゃないでしょと、私は心の中でツッコミを入れた。

 

採血とレントゲン撮影をすることになり、まずはじめに採血をした。

隣りの部屋から1人のナースが採血をしに現れたのだけど、一瞬ギョッとした顔をされ、その後はマスクについて何も触れることなく、終始笑顔。

採血を終えると、心なしか足早に去って行った。

 

レントゲン室に入った時もまた、そこの担当ナースが私のマスク姿を見てギョッとした。

「服を脱いで、このガウンに着替えてください。下着も取ってね。」とここまでは親切に言われたんだけど、その後間髪入れず「でもマスクは取らないで!」と、すごい勢いで言われた。

レントゲン室のナースには、きっと、私がエボラ出血熱か何か、とんでもない病に侵されていると思ったに違いない。

 

それにしても、どう見てもスペイン以外の、あらゆる国からやって来たであろう、多くの外国人も居合わせ、世界中の…と言っても過言でないほどの老若男女がごった返している待合室に、しかも2月のこの時期、我が夫含め、よくまぁみんなマスクもしないで無防備でいられるもんだと、私にしてみれば、逆にそっちの方が関心する。

みんな、この国や、それぞれの母国で、産まれた頃からあらゆる菌やウィルスにさらされ、戦ってきて、自前の免疫力が半端ないんだと思うと、毎年やれインフルエンザだの、やれなんとか菌だの、ノロウィルスだのと、ウィルスや菌が猛威を振るう度に、Yahoo!のトップニュースになり、健康な人もそうでない人も一斉にマスクをつけだす最近の日本の、健康に対する意識って、世界的なレベルで見たら、どのぐらいの位置にいるのだろう。

意識が高いのか、高すぎるのか(まさか低くはなかろう)、先読みしすぎてビビりすぎなのか、わからないけれども、とにかく先走り過ぎて、結局私みたいな、外側はマスクやら何やらで完全防備だけど、自前の防御力がてんでないヤツがいたりするのもどうなのかと思う。

普段から、あらゆる菌やウイルスにさらされて、自前の免疫力を高めておく方がいいのか、菌やウイルスが猛威を振るった時に、マスクでも何でもつけて、うつらない・うつさない防御策を取った方がいいのか、どちらが正しいかとは言い切れないし、別にそれを言及するつもりもないけど(きっと、自己免疫力を高めつつ、マスクも使用するっていうのが最善の策なんだろうとは推測するけど)、でも、日本てやっぱ独特だなってのは思う。

 

ところで、前述の、診察してくれた医者は、おそらく南米出身だと思われた。

「スペイン語の発音が時々、スペインのスペイン語の発音と違うから、聞き取りにくい。」とビクトルが文句を言っていたっていうだけの理由でだが。

 

その、おそらく南米出身の医者に、「バクテリア感染による、急性気管支炎です。」という、まさかの気管支炎という診断によって処方された抗生物質と咳止め薬は、副作用が強いわりには効きめが弱く、引き続き土曜も日曜も、高熱と尋常じゃない喉の痛みに苦しみながら、死んだように寝続ける羽目になった。

 

食欲は一切なかったが、薬を飲むには何か食べなければならず、熱が続いたもんで、食べたい物と言えば、リンゴとかゼリーとか素麺ぐらいだった。

素麺は自分で茹でにゃならんとして、「リンゴとゼリーを買ってきておくれ」と、ビクトルに頼んでスーパーに行ってもらったら、その他にも、プリンとかヨーグルトとか、バナナとかイチゴとか、私が食べられそうな物をいろいろ買ってきてくれた。

それらの食べ物と一緒に、バレンタインのチョコレートケーキの箱があったのを見つけた時は、思わず泣けた。

「ほら、だって、日曜はバレンタインデーだから…。」と、照れながら言うビクトルを見て、ますます泣けた。

 

結局今年も、日本式のバレンタインはできなかった。

旦那様に用意させてしまった。

 

旦那様、来年こそは、日本式のバレンタインをしましょうね。

(ホワイトデーも含みますよ。笑。)

 

ビクトルが買ってきてくれたチョコレートケーキは、これがまた、歯が溶けんじゃないかってほど甘かった。

 

 

■本記事のタイトルは、映画「バレンタインデー」(2010年公開、アメリカ)を、モジることなくそのまんま使わせていただきました。
本記事の内容と映画は、一切関係ありません。