梅子のスペイン暇つぶし劇場

毒を吐きますので、ご気分の優れない方はご来場をご遠慮ください。

バケモノな子 2

前回までのお話は、コチラ。 前妻シュエの現夫、マックスからのメールを読んでいくと、体の中がじわじわと、そして何かそわそわするような、得体の知れないものが込み上げて、今まであんなにのんびりしていた気分が急に落ち着かなくなってきた。 1ヵ月、スペ…

バケモノな子 1

だいぶお久しぶりです。 夏が終わって、ブログを書こう書こうと思いつつ、日々を過ごしていたら、季節は冬がもう目の前に…。 毎日大したことはしていないのですが、時が過ぎるのは本当に早いものです。 前回まで書いておりました、ママ(=義母)の出来事に…

Mamá se fue a los cielos ~ママ、天国へ~

小林麻央さんの死去で、日本中に悲しみの衝撃が走った、まさに同じ日の、6月22日。 ここスペインの、何の変哲もないとある小さな家族にも、とてつもない悲しみと空虚が訪れました。 6月22日木曜日、ママ(=義母)が、この世を去りました。 私たちにさよなら…

世界でいちばん幸せな場所 3

前回までのお話 1は、コチラ。 前回までのお話 2は、コチラ。 ママ(=義母)が認知症を患い始めた頃から、「ママは今、大きなシャボン玉の中で生きているんだ。」と、ビクトルは度々そう話していた。 シャボン玉の中では、今は亡きパパ(=義父)とお義姉さ…

世界でいちばん幸せな場所 2

前回までのお話は、コチラ。 以前、本ブログ内のどこかの記事にも少し書いた記憶があるのだが、スペインの老人介護は、主に3通りある…と思う。 (そこまで詳しくないので、あんまり自信満々には言えないけれど…。) 1つは、家族が自宅で介護する方法。 娘や…

世界でいちばん幸せな場所 1

5月も半ばに入ってからは、ほとんど毎日お天気が良くて、連日、真夏のような日差しが照りつけている。 空は、憎たらしいほど真っ青で、雲一つない。 先週のとある夜、ベッドに入ってから、夫ビクトルと私は、「もう寝ないと。明日早いんだから。」と、お互い…

顔を変えし女

正直、何をどこから話したらいいものやら、頭の整理がつかないまま書くことにします…。 「俺は神に誓って言うよ…。俺はお前のママと近いうち、離婚する。」 「どうせアンタは、マックスの味方なんでしょ?私のこと大嫌いだものね!」 これは、この前の週末に…

予期せぬ出来事

月曜の祝日を最後に、子供たちのイースター休暇が終わった。 休暇中、あれだけだらしなかった長男アーロンも、学校が始まれば、朝は自分できちっと目を覚まして、遅刻せずに学校に行くのだから、そこだけは唯一彼の尊敬できるところだ。笑。 イースターの間…

忘れられる子供たち…のユニフォーム 後編

前回までのお話は、コチラ。 「続きもどうぞお付き合いください。」とか言っておきながら、あれよあれよのうちに、もう次の週末が来てしまった。 年を追う毎に、月日の流れる早さにゾッとする。 さて、それでは改めて、先週日曜日の話。 日曜日の午後、私と…

忘れられる子供たち…のユニフォーム 前編

もう4月になってしまったが、今年もおかげさまで、我が街の最大イベントであるお祭りが、凄まじい爆竹の騒音と共に、先月終わった。 連日の外の爆音に、すっかり縮み上がってしまった我が家の猫、猫の助は、祭りの間中は決してベランダに出ることはなく、祭…

悩みは深い海の如く 2

前回のお話は、コチラ。 子供を持つことに躊躇する理由は、まだまだある。 (考え出すと、本当にキリがない。笑。) 例えば、我が家には、もうこれ以上子供部屋を作れるほどの部屋数もないし、広さもない。 男の子だったら、アーロンとエクトルと「3人同じ部…

悩みは深い海の如く 1

結婚前、ビクトルと2人でバルセロナへ旅行したことがある。 それまでテレビや雑誌なんかでしか見たことのなかったサグラダファミリアを、初めて目の当たりで見た時の感動は、今でも忘れられない。 しかしこの旅行は、私にとって忘れられない、もう1つ別の思…

裁きは終りぬ ~一旦終息編~

※本シリーズは、現在進行形の出来事を提供しておりましたため、飛び飛びに更新しておりますこと、何卒ご容赦ください。 尚、前回までの記事につきましては、「【前妻のこと】「裁きは終りぬ」シリーズ」カテゴリーより、ご参照ください。 大方のあらすじを含…

廻る因果

【神秘】 人間の知恵では推しはかれないような不思議さ。 「新明解国語辞典」より 私は今、“神秘”を見ているのかもしれない。 数年前、スペインに移住し、ビクトルと結婚した年。 あの1年間は、“壮絶”、この一言に尽きる1年だった。 ほぼ毎日のように、ビク…

罪と罰 2

前回までのお話は、コチラ。 私たちが、日頃子供たちに言い聞かせていることを、ビクトルがマックスに伝えると、マックスは、言葉を失ったようだった。 「実は、最近、僕たちは実家に行くのをやめてるんです。お恥ずかしい話ですが、以前から僕の母とシュエ…

罪と罰 1

今週、私と夫ビクトルは、気分の重い平日の午後を過ごしている。 本当は、子供たちとたくさん話したいし、平日の夜を普通に家族団らんしたい。 子供たちの好きな親子丼を作ってあげようと思って、週末に鶏のもも肉を買っておいたけど、それも作ってやれそう…

兄はつらいよ アーロンの告白

追々、改めて話そうと思ったのだけど…。 我が家の長男アーロンは、実は小児てんかんを患っている。 幸いにも…なのかどうか、アーロンのケースは、急に倒れたり、けいれんや発作が起こるようなショッキングなタイプではなく、「欠神発作」と言って、時々数秒…

君がそこそこ幸せでやっていてくれると有難い

先週の、ある日の夕方、子供たちが学校から帰って来ると、長男アーロンは「ただいま~♪ただいま~♪」と、鼻歌を歌いながらトイレに直行。 次男エクトルは、自分の部屋に直行…はせず、バックパックも下ろさずに、「タダイマー!」と日本語で言いながら、真っ…

母ちゃんのシャウトが聞こえる

先週の土曜日、私とビクトルは、ママ(=義母)のために食料を買い出しに行き、ママの家を訪問した。 思ったより長居してしまい、急いで我が家に戻った私たちは、遅い昼ご飯の準備に取り掛かっていた。 もう2時間もすれば、友人がやって来て、一緒に映画を観…

All You Need Is FROM CHINA

新年、明けましておめでとうございます。 昨年は、たくさんの愚痴にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。 今年もどんどん吐き出していく所存です。 何卒よろしくお願いいたします。 さて、2017年一発目の愚痴、いってみようと思います。 昨年…

散々な週末 3

あれからもう、何度週末が過ぎ去っていったことでしょう…。 本シリーズは、先月のとある週末の出来事をお送りしております…。 前回のお話は、コチラ。 7時を少し回ったところで、階下のゲートの呼び鈴が鳴った。 せっかく今度こそ落ち着いて、映画に没頭しか…

散々な週末 2

実はこの2話目の本記事の、下書きを書いた時、謎のWordクラッシュで、文章が全部消えるというハプニングに見舞われ、しばらく書くことに挫折していたのですが、復活です。 あの日からもう、新たに別の週末が2回も終わってしまうのだけど、本シリーズは、先先…

散々な週末 1

タイトル通り、週末は、結果的に散々だった。 今、振り返ってみるだけでも、怒りで手が震えるし、特に、我が夫ビクトルの心中を察すると、胸も痛むし、胃も痛む。 日は遡って、先週木曜日の午後。 ビクトルは、しばらく会っていなかった親友から、久々の電話…

リピーターズ

今朝方、夢を見ていて目が覚めた。 時計を見ると、普段の起きる時間まで、まだ4時間近くもあった。 こういう時、いつもならもう一度寝ようと努力して、すぐに眠りに落ちるのだが、今朝はどう頑張っても目が冴える一方で、眠ることができなかった。 仕方がな…

愛しき家族のつくりかた

「梅子は変わったよ!ここに来たばかりの頃の君は、そんなんじゃなかった!!」 これは、私にとって、最も心に突き刺さる言葉で、そして最も私を怒らせる、ビクトルからの言葉だ。 子供たちの夏休み中の、とある夜、夕飯を終え、食器を洗っている最中に、私…

おにいちゃんのリベンジ

しれっと9月が始まって、8月のビクトルの親権期間が終わった。 先週の金曜日から、子供たちはまた、週末をシュエ家族と共に過ごす日々が始まった。 日曜の夜、ビクトルとリビングで「進撃の巨人」を見ていると、階下のゲートの呼び鈴が鳴り、子供たちが帰っ…

ママ友の教えたまいし

先日、子供たちと私の3人で、近所のスーパーに買い物へ行った。 その日の夜、家族で映画を観に行く予定だったので、映画館で飲むジュースとスナック菓子を買いに行ったのだ。 (映画館にももちろんそういうのは売っているし、本当は持ち込みはおそらくダメな…

ただいま。

約1カ月間の日本里帰り。 1カ月なんてあっという間に過ぎ去って、スペイン(現実の世界)に帰ってまいりました。 私にとって、この1年に1度の里帰りは、年末年始のような感覚です。 里帰りのために日々を過ごしているようなもので、里帰りから帰って来ると、…

梅子とビクトルの旅だち

ブログ立ち上げから早半年。 日に日に更新が滞ってまいりました…。 本当は、「裁きは終りぬ」シリーズも、書けるとこまで書いてしまおうと思っていたのですが、結局書けぬままに、日本に旅立つことになります…。 あと数時間後に、実は、日本行きの飛行機に乗…

日曜の儀式 2

1話完結にするつもりが、to be continued…にしてしまいました。 前回までのお話は、コチラ。 さて、先日の日曜日、ビクトルの前妻シュエとその夫マックスは、子供たちは返してくれたものの(当たり前か)、平日の間に子供たちが最も必要とする制服を忘れ、持…