梅子のスペイン暇つぶし劇場

毒を吐きますので、ご気分の優れない方はご来場をご遠慮ください。

【スペインってこんな国】

I'm Yours 3

前回のお話は、コチラ。 himatsubushi-hitsumabushi.hatenablog.com アジア人の特権は、年齢よりも若く見られやすいということだ。 それから、この国にいてもう1つ嬉しいことは、皆大して年齢を気にしないということ。 ビクトルがいなくなってしまってから、…

I'm Yours 2

前回のお話は、コチラ。 himatsubushi-hitsumabushi.hatenablog.com 街コンに行くか行かないか… ビクトルのことやこれからの自分のことについて、史上最悪な絶望の中で大きな決断を次々に迫られていた去年に比べれば、街コンなんぞ、心の底からどうでもいい…

ライフ・イズ・ビューティフル

「いいか、梅子。世界は君が思うよりもっともっと素敵なことで溢れている。君の人生は、これからいくらでも素晴らしくなるよ!」 ルイスは、電話の向こうでそう言った。 去年、夫ビクトルがいなくなってしまった後で、私はとあるスペイン人男性と友達になっ…

うつろいの季節(とき)

夫ビクトルが逝ってしまった忌まわしき3月が、とうとう来てしまった。 去年まで、3月は二度とスペインにはいたくないと思っていた。 この1ヵ月間は日本にでも逃げよう、ずっとそう考えていた。 だけど、年末年始に日本へ帰り、思いのほか元気をもらってスペ…

この世界に残されて

夫ビクトルの葬儀を終えて間もなくのとある日、ビクトルの税理士から電話が来て、「スペインでは、死亡日から6ヵ月以内に相続税を支払わなければならないから、それまでに遺産相続を済ませなければならない。遺産相続をするために、これからいろいろな手続き…

今はきっと ここが帰る場所

近所のスーパーで、洗濯用の柔軟剤の棚を見ていたら、おじいさんが1人、カートを押してやってきた。 いくつも並ぶ柔軟剤のボトル。 当然スペイン語表記だから、1つ1つ読むのに時間がかかる。 「ウチではね、いつもこれを使ってるよ。妻といろいろ試してみた…

アイ・アム・ハポネサ!

※「ハポネサ」とはスペイン語で「日本人(女性)」という意味である。 (男性の場合は、「ハポネス」と言う。) イタリア在住のとある日本人の方のSNSで読んだのだが、イタリアの人々は、身なりが小奇麗なお洒落なアジア人は、中国人だと思うらしい。 昨今の…

ハウス・オブ・スペイン

スペインで暮らし始めて、当然、文化の違いや考え方の違いに驚いたこと、今でも驚くことはたくさんある。 住み始め当初、私はちょっとした“どちて坊や”(※アニメ「一休さん」に出てくる男の子)ならぬ、“ポルケ坊や”と化していた。 見るもの聞くものすべてが…

ある雑貨店のはなし

スペインにも100円均一ショップのような、安くて何でも揃っている店がある。 日本でも今やお馴染みの、デンマーク発Flying Tigerは、私が住むこの街にもある。 また、おそらくまだ日本には進出していないかもしれないが、Tedi(テディ)というドイツ発の雑貨…

ビクトルの大予言

前記事でも少し触れたが、今年のハロウィンは日曜日。 我が家の次男エクトルは、養育権の契約上、毎週末を母親シュエの家で過ごさねばならないので、当日に私たち夫婦とハロウィンのパーティーをすることができない。 それならば、エクトルが我が家にいる間…

インフェクション 感染

前記事の「酔うと化け物になる継父がつらい 1」の下書きを書き終えた日の夜、私は39℃以上の高熱を出した。 風邪か…と思ったが、一向に喉は痛くならないし、鼻水も咳も出なければ息苦しくもない。 原因がわからないまま熱は下がらず、2日間ベッドから起き上が…

誰よりも金を愛す 1

9月半ば近くになって、ようやく新学期が始まった。 新年度の始まりでもある。 なんやかんやの末、我が家の次男エクトルは、学校が始まる前日の夜にようやく我が家に帰って来て(詳しくは前記事をご参照ください。)、アーロンは無事に…とでも言うか、母親シ…

そしてエクトルは、ここにいない。

スペインの子供たちの夏休みは長い。 小学校も中学校も、例年、6月の下旬(22日とか23日頃)から9月の第1週目、2週目半ばぐらいまでが夏休みだ。 冬休みや春休みは、日本のそれと同じぐらいの日数だけど、夏休みが日本の倍以上あるので、当然日本の小中学校…

17歳→18歳の夏

―8月31日。 私のスマホのメッセージアプリを使って、ビクトルがアーロンにメッセージを送った。 1ヵ月ぶりの連絡。 「久しぶり。元気にしてるか?ところでお前のママにはもうあのことを話したか?」 夜になってやっとアーロンから返事が来た。 「うん。もう…

変わらぬマインド 卒業の日まで

このブログを再開するのがまたしても久々すぎるやら、前回まで書き続けていた「アーロン14」シリーズも中途半端やら、言い訳は山ほどあるのですが、全部すっ飛ばして、今日はこれを書くことにします。 ちなみに1つだけ言い訳をすると、「アーロン14」シリー…

初夏の夜の夢

6月に入った途端、もうすっかり夏みたいに毎日暑くて、寝苦しい夜が続いている。 寝苦しいと熟睡できなくて、夢ばかり見る。 昨夜も夢を見た。 夢の中で、私とビクトルは、日本に里帰り中。 滞在して、まだ1週間もたっていないぐらいの頃だった。 私は1本の…

スペイン カフェ・ストーリー

クサクサした内容の記事ばかり書いていたので、箸休めがてらに今日はカフェのお話。 あ、そういえば、以前書いていた「「ある海辺の詩人」という映画」の話が、まだ途中でした…。 後日書きましょう。(忍法・後回しの術。) このブログでもちょくちょく話す…

「ある海辺の詩人」という映画

※今日のお話は、人種差別と取られかねない発言が出る可能性があります。 読んで気分を害された場合、予めお詫びを申し上げます。 「ある海辺の詩人~小さなヴェニスで~」という、イタリアの映画をご存知だろうか。 ご存知なくてもご心配なく。 私も知らなか…

私の街は戦場のようだ

今月に入った途端から、それはすでに始まったのだが、今週に入ってから、私が住むこの街では、本格的にお祭りムードになってきた。 今週末の聖人の日がクライマックスなのだけど、この祭りが終われば、春分がやって来て、スペインにも春が来る。 この祭りに…

我が家のおバカで楽しい言葉事情

「今週のお題」が“方言”だったので、地方出身の端くれとして、今回も果敢にチャレンジしたいと思う。 私は、東北の雪国出身なので、方言や訛りの中で育った。 その後、東京へ上京して、いっちょまえに標準語で学生生活→社会人生活を送ったが、やっぱり生まれ…

バレンタインデー

しれっとブログのデザインを変えてみた。 開設して間もない素人ブログだし、驚く人もそういまい。 「今週のお題」っていうのが、奇しくも「バレンタインデー」だったので、初チャレンジがてら、今さらながらの、バレンタインデーの話。 スペインでも、2月14…

隣人は5階に潜む

ウチのマンションは、通りに沿っていびつなコの字型のマンションで、エントランスが4つある。 1つのエントランスごとに約16世帯が住んでいる。 ウチは、1階の1部屋が歯科クリニックなので、たぶん15世帯が住んでいる…と思う。 マンション自体は、おそらく築2…

スペイン式離婚狂想曲

いろんな記事でちょいちょい触れているが、我が夫ビクトルは、バツイチだ。 おまけに子連れだ。 残念ながら(!)私は離婚経験がないので、その方面には詳しくなかったが、ビクトルに知り合った頃、彼の壮絶な離婚劇を見ていたため、スペインの離婚について…