Mamá se fue a los cielos ~ママ、天国へ~
小林麻央さんの死去で、日本中に悲しみの衝撃が走った、まさに同じ日の、6月22日。
ここスペインの、何の変哲もないとある小さな家族にも、とてつもない悲しみと空虚が訪れました。
6月22日木曜日、ママ(=義母)が、この世を去りました。
私たちにさよならも言わせず、病院で1人、逝ってしまいました。
ママを救急センターへ連れて行ったのが、5月23日。
葬儀は6月23日の金曜日に、身内とビクトルの友人たちと共に済ませました。
乳癌とわかってから、ちょうど1カ月間の闘病でした。
この1カ月の間に、癌の痛みと、呼吸ができない苦しさで、ママが本当に苦しんだのは、おそらく、最後の1週間…いや、病院に運ばれた最後の2日間ぐらいだったのではないかと思います。
あまり長い期間、苦しまなくて済んだことが、ママにとっても、ビクトルにとっても、唯一、良かったと思います。
享年89歳でした。
90年近い人生の内、幕引きの苦しみが1カ月で済んだのは、ラッキーだったんじゃないかと思います。
ビクトルも私も、もうママの病気のことで、心を痛めることもないし、子供たちのことも自分たちの生活もほったらかして、ママの所へ駆けつけなければならないような気苦労もなくなりました。
この1カ月間は、毎日が本当に濃かった。
濃い日々でした。
でも、あまりにも早すぎました。
おかげで、まだ心が追い付いていません。
ある時ふと、心に穴があることに気付いたり、ある時ふと、ママとお喋りしていた頃のママの声が鮮明によみがえってきたリ、涙が急に溢れてくるかと思えば、ヒュウッと引っ込んだり。
ビクトルも私も、今、そんな毎日を過ごしています。
前回まで書いていました、「世界でいちばん幸せな場所」シリーズは、まだ未完の状態ですので、引き続き書いていこうと思います。
ただ、今は、あの時のことを思い出すと、どうしても涙が止まらなくて、キーボードを押す指が止まってしまうので、毎度のことではありますが、暇を見て、心を見て、ゆっくり書いていこうと思います。
取り急ぎ、今日はご報告まで。
■本記事のタイトルは、映画「Violeta se fue a los cielos(ヴィオレータ、天国へ)」(2011年公開、チリ・フランス・アルゼンチン合作)をモジって使わせていただきました。
記事の内容と映画は、一切関係ありません。